恋愛興味対象外
西月紀史
本文より一部抜粋。
「恋愛に興味がない、興味を持ったことがない人…も存在している。
一生涯、恋をしない・恋に興味がない人間も一定数この世には存在しているのだ。
恋愛が興味の対象外だと言う人間の存在について」のあれこれ。
彼らは、どんな思考をしているのか。どう扱われたいのか。どう扱ったら良いのか…などについての小文。
無性愛者/アセクシャルに近い人々の存在、存在意義についてあれこれと考えています。
*2015年10月 第二版発売。
◆目次
恋に興味がない人は存在する
恋に興味がない独身者の典型的設定
恋は本能ではない
なぜ彼らは恋をしない(できない)のか?
恋をしない人間は冷たい説
恋愛学が存在不可能であるように
潜在的な非恋愛者はたくさん存在しているはず
恋をしない人間の方がもともとの原種ではないのか?
恋をしないで何をしているの?
彼らは恋をする派からの一方的な暴力に耐えている
非恋愛者から見た恋愛者
恋の強制は禁止
恋愛者にちょっとだけ通じる単語
興味はないけど一度は恋に挑戦をしてみるのも悪くはないはず(多分)
終わりに
第二版あとがき
◇参考文献
◆立ち読みコーナー
結婚をする、しない、したい、できない、ばかりが話題になっている世の中。
同性愛者は同性婚の権利を主張し、愛の新しい形を権利として求めて世界のあちこちで運動をしている。その結果、同性婚を認める国や、異性婚と同じ権利を得られる国まで現れた。
男は女に恋し、女は男に恋し、同性愛者は同性に恋し、両性愛者は性別に関係なく恋に落ちた相手に恋する。
恋は大昔から文学や音楽のテーマとされ人々の興味の対象になってきた。それは芸術を発展させ、文化を高める結果となり、まことに自然で結構なことだが、昔から一つだけ疑問に感じていることがある。
恋の形式以前に、恋愛に興味がない、興味を持ったことがない人…も存在していると言うことに誰も言及しないのは何故なのか。
一生涯、恋をしない・恋に興味がない人間も一定数この世には存在しているのだ。
恋愛が興味の対象外だと言う人間の存在についてである。
このような恋愛に興味がない嗜好の人々のことは、無性愛者(またはアセクシャル)と言われ、世界の人口の1%存在するとカナダ大学のボガード教授が発表している。
無性愛者の定義は「他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない」である。
非性愛者と言う定義もあり「他人に対して恋愛感情は抱くが性欲はまったくない」者のことを言う。
同性愛以上に、いまだ研究が進んでいない分野であるため詳しいことはわからないため、細かく分類すればするほど読む方は混乱してくることだろう。
探せば恋愛感情は抱かないが性欲はあるタイプもいるだろう。
しかしここではおおざっぱに、
①恋をする人
②恋をしたくない人
③恋に興味がない人
以上の三分類のうちの③の人について書いていくことにする。
