top of page

左眼の読書生活(Sagan no Dokusyo seikatu)

 本や読書に関連するショートエッセイ、つぶやきなど。

​ 謎降舎の公式X(旧Twitter)とBlueskyに全文を載せられなかったものなどを、書き記しています。

暑さのあまり本どころか文字すら読みたくない気分のまま街へ出る。
冷房の効いた店内で必要な買い物を済ませ、冷たいお茶を飲み終えた頃にはすっかり体は冷え切り気分も変わってきた。
少しだけ屋外を歩き、本屋へ行ってみようか。
きっとそこからは出られなくなるに違いない。
「魔境」

今日も用もなく歩き回ってしまう本屋。
目に止まった表紙、書名に、無意識的に本を開いて数行読んでしまう。あ、これは面白そうだと直感が告げる。
あわててと本を閉じて書棚に戻す。書名だけ記憶して後で買う本リストに入れておく。
そうしなければこの場で本の世界に入り込んでしまうから。
それでもいつの間にか時間が過ぎてしまっている休日の午後。

変わらないでほしい物語がある。
永遠に続く旅、いつまでも仲間と過ごす日々、永遠に初恋のままの恋愛……
願わくば登場人物たちはずっとこのままでいてほしいと思ってしまう。
変わらぬ彼らを見続けていたい。
進まない物語の中に閉じこもっていてほしい。
スノードーム、ミニチュア、描き終えた絵、完成した彫刻のように。

古いガイドブックを読むのが好きだ。

今はもうないホテルやお店ばかりなのが寂しく感じ、 今もまだ残っている施設やお店があると少しばかり嬉しく感じる。

それでいて説明文やお薦め内容が変わっていたりもして……。

頭の中から流れ出てきたこの物語は、書きとめなければ、誰にも知られることもなく消えてしまうから、 今日も物語をノートに書きとめてゆきます。

昔書いた本が、ふと懐かしい思い出のように頭に浮かんだまま留まっている。

それは深く静かに恋する男の物語。

彼は今どうしているのだろう。

明日が休みだと思うだけで心が軽い。

さあ、寝るまで本を読もうか、絵を描こうか。

本屋が消滅しているということは、後を追うように古本屋もなくなるのだろう。

作者亡き後も、出版社が消えた後も、ひっそりと存在し続けていた古い本たちは、どこへ行くのだろう……。

絶版本が手元に何冊かある。

自分の死後これらの本は捨てられ燃やされて、この世から消えてしまうのだろうか。

かつてこの通りに本屋が存在したことを覚えている者はいるだろうか。

新しい店が入った後は、いなくなった本屋を気にかける者などいないのかもしれない。

そう遠くない未来に最後の本屋が消えた後は、辞書の片隅にかつて存在していた店一覧として名前だけが残るのだろうか。

 

「本屋の未来」

年末年始は居心地の良いブックホテルで、すばらしい本を心ゆくまで読んでのんびりと過ごし、温かい紅茶とおいしい料理を堪能しています。

今読んでいる本を読み終えたら、ホテルの庭園を散歩してみようかな。

多すぎる本の中から、読書好きは、どうやって自分にぴったり合う本を見つけているのだろう。
本屋の通路を、表紙や背表紙を眺めながら歩いていて、ふと目を引いた書名、表紙に手を取る。
電子本屋でスクロールしている時に、ふいに気になった表紙や、あらすじの一説が目にとまり、詳しく見始める。
偶然と運命としか言い様がない。

本を読むのに音楽は必要か?

心地よいこともあれば、耳障りに感じることもある。

どちらにしても、本の世界に入り込むと、音楽は聞こえなくなってしまう。

別世界に移動したのだから、当然といえば当然の現象なのだろうか。

ふとした瞬間、昔よく行っていた今はもうない本屋の、何度も歩き慣れた通路を思い出すことがある。
その通路の両側の棚に置かれていた本まで覚えている。
どんな本を引っぱり出して読んだのかさえも。
こんなにはっきりと思い出せるのに、もうその本屋には行くことはできないのだ。
そんなことを思い出した日曜日の午後。

ひさしぶりの再読。

この本は、あの旅先で読んだ本だと思い出す。

当時の旅の記憶も思い出されて、懐かしい。

本を読むと自動的に、もう一冊、旅行記や日記が書き上がるよもう。

 本を手に入れたら、徹夜で一気読みも良いけれど、ちびちび、ちょこっとずつ読んでゆくのも悪くない。

 本の表紙や背表紙をながめているだけで楽しい……そんな午後です。

​ 本をどこで読みますか?

 自宅、電車バス、図書館、カフェ、駅、公園、漫画喫茶、学校、仕事場、病院の待合室、シェアラウンジ、ブックカフェ。

 数秒時間があれば読んでしまう。

 時には朗読された音声を車の中で聞いたり。

 本の読み方は、多彩で自由。

 ある土曜日。
 東急ハンズで必要な物を買った後、ちょうど昼前になったので最近気に入っている北欧カフェで昼食を取る。
 注文した食事を待つ間、昨夜ダウンロードしておいたクリスティを一話読み終える。
 まだ店内は四割埋まっている程度。
 食事を食べ、カフェオレを飲んでいる内に、家を出る時は冷え切っていた手足も、ようやく温まってきた。

少年には本が似合う。少女にも本が似合う。若者にも本が似合う。乙女にも本が似合う。中年にも本が似合う。老人にも本が似合う。

なんだ。本はみんなに似合うじゃないか。

無断使用禁止・無断転載禁止
Do not reupload my art. Do not use my art for AI training

Copyright MEIKOSYA.(C)-謎降舎- All Rights Reserved. 

bottom of page