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絵と散文 1~7

​ここは絵と散文を載せています。本や旅をテーマにしたものが多めです。

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01

「異世界へは一冊の本で行けるんだ」

店先でパラパラとめくった本の一節に惹かれて、本屋へ足を踏み入れる。
それが冒険への第一歩だとは気づかないまま。
そんな冒険を幾度も繰り返してきました。

02

「誰も知らない世界旅行」

今から世界旅行へ行ってきます!
お供は一杯の珈琲。
国も時も縦断横断自由自在。
楽しみが止まらない。

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03

​「ぼくの旅」

筆と絵の具を三色だけポケットに入れて旅に出る。
海岸で拾った貝殻に水を汲み、
ポケットから絵の具を出して貝殻の上で混ぜてゆく。
旅先の絵がまた一枚仕上がった。

04

「少年の日常」

心地良いこの時間が

幸せであると

今はまだ気づいていない

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05

「定規」

斜め前に座る転校生のペンケースからのぞいている定規。
真っ直ぐの物だけではなく三角形の物が二つ、半円の物が一つ見えていた。コンパスが入っていたら完璧だ。
普通は真っ直ぐな定規だけ。
使いこなしているのだろうか。持っているだけで、かっこよく感じる。
休み時間になったら声をかけてみようかな。

06

「図書館ボックス」

 疲れて遅くなった週末の帰り道、ふと目を上げると、いつもの通り道にある古びた木製の赤い電話ボックスの中に本棚があった。
 公衆電話はどこにもなく、上から下まで本がつまった棚が押し込まれている。
 電話ボックスの上部には「TELEPHONE」と金色の文字が書かれていたはずなのだが、今は「LIBRARY」と書かれている。
 近づいてガラス越しに中を見ると、子供の頃大好きだった懐かしい本がたくさん。
 どの本も今は手元にはないものばかり。
 興味を惹かれて赤い木枠の扉を開け、本棚を覗き込む。
 背表紙の文字を見るだけで、興味を惹かれる、心躍る、思わず手に取りたくなる書名の本ばかりが並べられている。
 そうだ。
 子供の頃は心惹かれたわくわくする本を手に取るだけで、本の世界へと入り込むことができたんだった。
 図書館……ということは借りても良いんだよな?
 一冊を取り出し、借りて帰った。
 その夜はひさしぶりに本の世界へ旅することができた。何もかも忘れて、ただひたすら本の世界へ入り込む。そして帰ってきた時、確実に自分自身も長い旅を経験して成長したのだと実感できる。
 また少しだけ勇気を得た。
 子供の頃はこうやって本に夢中になって未知の世界を旅して勇気と知識と元気を得ていたのだった。

   *

 翌日、赤い木枠の電話ボックスを見ると、中には使い古された公衆電話が設置されており、昨夜見た本棚はどこにも見当たらなかった。

 その後、あの図書館ボックスには会えず、本はずっと返せずにいる。
 

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07

「手放した夢の行方」

今日ギターを手放した。
また一つの小さな夢が去っていった。
ギターが弾けるようになる自分という夢が……。


自分が手放した夢は、ふたたび誰かの元へ行くのだろう。
ギターが弾けるようになりたい誰かの元へ。

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